人気ブログランキング | 話題のタグを見る

島森です。漫画や小説の感想が主です。TBもコメントもご自由にどうぞ。


by nm73tsrm
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

変わりゆく景色を胸に聞いて歌え

*[book]『最後にして最初の人類』 オラフ ステープルドン, Olaf Stapledon, 浜口稔 国書刊行会
変わりゆく景色を胸に聞いて歌え_e0038376_0254871.jpg
 
<最後の人類>は我々<第一期人類>に語り始める。我々にとっては永遠に等しいとも思えるほど遠い未来までに連なる、地球における人類の興亡史を。なぜなのかはあとで語ろう。 その前に、まずはすでに我々<第一期人類>の時代から、人類の精神は崩壊の兆しを見せていることを理解せねばならない。

出版されたのは1930年。
後書きにもあるように「近未来については原爆のこととしか思えない」ような記述、世界がアメリカに反発を感じつつもアメリカ化してくるという記述、クローン技術のこととしか思えない記述…これでインターネット(超脳は出てきますが終りも早い)まで予測されてたら更に鳥肌。

SFでもこじんまりとしてものが目立つ昨今ですが、第二次世界大戦が始まってすら始まっていなかった1930年に、20億年分を使って人類のあらゆる進化のシュミレーションを行ない、絶大なスケールを持ち、エネルギーを発している小説です。
by nm73tsrm | 2005-08-23 00:30 | book