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島森です。漫画や小説の感想が主です。TBもコメントもご自由にどうぞ。


by nm73tsrm
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闇はむらさき色になり 月は満月に近づき 遠くで風が 高い波長で カモ−ンとよんだ

*[book]『カワセミの森で』芦原すなお 理論社闇はむらさき色になり 月は満月に近づき 遠くで風が 高い波長で カモ−ンとよんだ_e0038376_232559.jpg

わたしこと、桑山ミラは、陸上競技にマジメに打ち込む文学少女。もっとも、ある人の言葉を借りれば、「不幸そうで、お金持ちじゃなさそうな家庭に育ってそうで、植木屋の親方みたいに髪を刈って、胸の大きくなさそうな女の子」らしいけど。しっかし、これって、ずいぶん失礼じゃないかい?
それはさておき、これは私が16歳の時に巻き込まれた恐ろしい事件の物語。それはカワセミの森で、親友をめぐって起きた、忌まわしい連続殺人事件だった…。斬新なのに懐かしい青春小説の紡ぎ手・芦原すなおがユーモラスな語り口で贈る極上のホラー・ミステリー。


92年頃に『青春デンデケデケデケ』はベストセラーになりましたが、タイトルが苦手で、手をつけず。
そして芦原すなお氏の作品をミステリで読むことになるとは思ってませんでした。

読んでみると、ミラのキャラクタが、若い作家とは違って、味わい深いことに「へえ」と。
そしてこの事件、唐突に起きて、すぐに結論が出てしまったのですが、ミラの口調の乗せられて、伏線をほとんど伏線だと思わなかったことに感心。
芦原氏、スランプだといいますが、良い感じの脱力具合で、これがスランプ中でも出せるなら良い時期なのではないかしらと。
by nm73tsrm | 2007-07-09 00:01 | book