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島森です。漫画や小説の感想が主です。TBもコメントもご自由にどうぞ。


by nm73tsrm
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亜細亜の國の生贄みたいに

SPANK HAPPYを聴きながら
景色が後方に飛んでいくのを知覚だけして
薄い文庫本の字面を追う


今月は移動が多いので活字を沢山追っていけます。
それにしても国産ミステリってどうして10月以降に出始めるのでしょう。
そんなに皆様、あの悪夢な夏にキイを叩くのが得意なんでしょうか。それとも日本人は秋以降しかミステリは読まないのか…むう。

まあ、10月は恩田!島田!!西澤!!!とまるで学級担任のように呼んじゃいましたが、西澤氏なんて『フェティッシュ』という……!!K.O.です!!ブラボー。『両性具有迷宮』を超えて頂きたい。菊地成孔氏と対談なんてしていただいても嬉しい。ちょっと方向性が違うかな?脚なら永野氏か?

読了リスト「火浦功」氏編。それにしても画像出ない、少ないなーあ(怒泣)

*[book]『大熱血。未来放浪ガルディーン1改版』角川スニーカー文庫 火浦功 角川書店 ISBN:4-04-162702-8

時代は戦国。波乱の時代。強大な武力を誇るヴァルマー帝国は名門フレイヤー家を一夜で滅ぼした。この戦で全国統一の覇業に燃えるジョージ「無謀王」ヴァルマーに対抗する勢力は消えたはずだった。がーっ(ちょーん)。ここに、ヴァルマー帝国に敢然と立ち向かうひとり戦士が現れる。その名は、コロナ・フレイヤー。男の子として育った熱血少女は単騎、ヴァルマー宮殿に殴り込みをかけた!そこで…。愛・冒険!大ロマン!!伝説の巨大ロボット格闘すちゃらか珍道中ーっ。

1986年の改訂版だそうです。
実は火浦氏の著作は、1冊目(多分…。義務教育中に読んだかもしれませんが記憶なし)でガルディーンシリーズです。
去年にメールで勧めて頂いたからです。
ガルディーンって私の中では読んでないけど、メジャ、という位置付けだったのですが…どうなんでしょう?

キャラデザはゆうきまさみ、挿絵とメカデザインが出渕裕という豪華なシリーズ。しかもラストの座談会が面白いんですよ。この頃は「あ〜る」連載中だったそうで(「あ〜る」と「パトレイバー」は毎週友人が学校に持参してくれるのでリアルタイムで読んでました)なっ懐かしっ…。

しかしこの作品は面白いですね。流行廃り関係ないから…。
F.S.S.ファンで火浦氏ファンって多いんじゃないかな?で、火浦氏ファンは作品が書かれないので、増えない…。

*[book]『大暴力。未来放浪ガルディーン2改版』角川文庫 スニーカー文庫 火浦功 角川書店 ISBN:4-04-162704-4
亜細亜の國の生贄みたいに_e0038376_18513510.jpg
ヴァルマー宮殿に殴り込み、お尋ね者となってしまったコロナ。“魔の涸れ谷”で遭遇した機動メカ・ガルディーンも交え、旧世界の秘宝が隠されているという“失われし塔”を目指す。だが、行く手には、ヴァルマー帝国の刺客。流浪な賞金稼ぎ。そして、奇々怪々な山賊軍団が!おまけに空から人まで降ってきて…。抱腹絶倒!満員御礼!まだまだ続くすちゃらか珍道中。

火浦氏の凄いところは「パターンは偉大です」と分かってる所。
マンガの『NANA』と『プライド』の売れた理由って少女マンガのパターンを力で押し切っちゃうとこだとおもうんですよ。
少ない頁数でパターンをやると見向きもされませんが、長編でやり続けると喜ばれるんですよね。そこまでにブランドが確立されていれば、か。
編集者の皆さん、頑張って原稿取ってください!
そして売って下さい。

*[book]『大出世。未来放浪ガルディーン外伝』火浦功 角川書店 ISBN:4-04-162708-7

ベリアルの話まで含まれてます。
またイラストが上手くなってて…驚きました(失礼)。

*[book]『大豪快。未来放浪ガルディーン3』火浦功 角川書店 ISBN:4-04-162711-7
亜細亜の國の生贄みたいに_e0038376_1854249.jpg
21世紀の奇跡、14年ぶりに「ガルディーン」本編が帰ってきた!!
風よ吹け、嵐よ叫べ!!待ちわびたぞ、この日この時を!!うぉーっ(ととりあえず叫んでみよう)。14年といえばおぎゃあと生まれた赤ん坊も中学生に、中学生も立派な社会人にと成長する歳月。しかし、変わりがないのは、カブト蟹と「ガルディーン」。コロナもガルちゃんも、出番を14年間待たされたヤマト・マーベリックも、あいかわらずのスチャラカぶり。万物流転、盛者必衰のこの世の中で、時代を超えたおもしろさ。まさに「ガルディーン」は現代の奇跡なのだ。


そう…そうですよ14年ぶり。
でもキャラ設定は変わってないし、文体も変わっていない。すごい。
火浦氏みたいな小説家って稀少価値ですよねえ…。
永野護氏はあんなに鞭打たれてるのに同じカドカワでも火浦先生は暖かく見守られているなあ(SFファンはやはり穏やかなんですね…)。

*[book]『ハードボイルドで行こう』火浦功 角川書店 ISBN:4-04-162703-6

画像が見あたらなかったのですが、なんと内田春菊氏なんですよ、表紙も本文も。本当に丁寧に描かれてるんですよ。おもいっきりハードボイルドに…としたらしく『餓狼伝』の天野氏みたいな表紙ですもん。
これが絶版ってどーゆーこと角川さん!!

ガルディーンの方が好きですが、この異世界ぶりも好きです。

下北沢の探偵事務所の話なので、下北が分かると尚更重版未定が惜しまれることしきり…。復刊ドットコムへ!!


話は違いますが、内田美奈子の『赤々丸』も絶版だったんですね。彼こそクールガイそのものなのに…。
by nm73tsrm | 2005-10-04 18:54 | book