島森です。漫画や小説の感想が主です。TBもコメントもご自由にどうぞ。


by nm73tsrm
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

They all loved you,Mr. Poe

e0038376_1953794.jpg
*[book]『だれもがポオを愛していた』
平石貴樹
東京創元社
1997/08

諸君はアッシャー家の崩壊を見いだすだろう—予告の電話は真実を告げていた。錦秋のボルティモア郊外で、日系人兄妹の住む館が爆発し傍の沼に崩れ去った。妹は謎めいた言葉をのこして息絶え、兄の遺体もまた水中深くに。ほどなく、棺に横たわった美女の歯が無惨に折り取られる『ペレニス』、斧で頭を割られた被害者が片目の黒猫ともども壁に塗り込められる『黒猫』、各々の小説に見立てた死体が発見され、事件は更なる混迷を呈していく…。E・A・ポオ終焉の地で、デュパンの直系というにふさわしい探偵が本領を顕わす。
ポオの言祝ぎが聞こえる、オールタイムベスト級本格ミステリ。


この作品を褒めていた声は聞いたことがあるので、『虚無への供物』『バイバイ、エンジェル』等を読む前のような期待と興奮を味わい、ヒロインの名前にクイーンファンなら顔の筋肉を緩めてしまう"ニッキー"ならぬ"ニッキ"だったので、かなりの自信を見いだしておりました。

最初、有栖川の解説を読んでから、本編を読んでいったのですが、ニッキが登場し、謎に出会う時点で、辟易。

なんだ、このガキャ。
子が子なら親も親。

茅田砂胡などの作品を愛する私には、平石貴樹は唾棄すべき下衆野郎と言えましょう。
予め、欠けているというか。
キャラクタに言わせただけかもしれませんが、誰もが彼女の発言をたしなめたりせず、受容してるので、平石貴樹自体が、アレなんでしょう、きっと。

まあ、名作って言われてるんで、最後まで読みましたよ。黒死館に比べたら、何の造作もない日本語ですから。

で、最後まで読んで、オールタイムベスト級とは言われても、"級"な理由なのが、分かりました。文章は下手だし、ミスリーディングは設けられてないし、見立てといっても、「はあ、それが?」…というようなものだし、読者への挑戦状にしても、煽り下手。何より、アイスクリームの説明で"ばかうま"…って…。いや、ばかうまなんでしょうけどね、脂肪分が多いとか、フレッシュであるとか、舌触りとか色々書くべきでしょう、説明なら。
(すみません、食いしん坊なので、食べ物の説明が手抜きだと、腹が立つ上に、作品として大切に思えないんです)

四大ミステリや、『占星術殺人事件』『バイバイ、エンジェル』『すべてがFになる』らが持っている高揚感、事件収束への期待や犯人と追う側の鬩ぎ合いは殆どありません。

有栖川有栖の小説は『双頭の悪魔』『乱鴉の島』を読んだのですが、夢中のまま読み通すというタイプではないので、それも所謂本格が苦手な私には合わないのかも。

あの娘はヒナゲシみたいに無実だよ、そうだね?
[PR]
by nm73tsrm | 2007-07-07 01:02 | book