島森です。漫画や小説の感想が主です。TBもコメントもご自由にどうぞ。


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反語法

*[book]『オリガ・モリソヴナの反語法』米原 万里 集英社 ASIN: 4087478750e0038376_11465528.jpg

1960年、チェコのプラハ・ソビエト学校に入った志摩は、舞踊教師オリガ・モリソヴナに魅了された。老女だが踊りは天才的。彼女が濁声で「美の極致!」と叫んだら、それは強烈な罵倒。だが、その行動には謎も多かった。あれから30数年、翻訳者となった志摩はモスクワに赴きオリガの半生を辿る。苛酷なスターリン時代を、伝説の踊子はどう生き抜いたのか。

米原さんのエッセイは文句なく面白いので(特に食いしん坊には!)、この本はエッセイかと思って読んでしまいました。
人物紹介を読み、「あ、小説か…」と思い、数日寝かせておきましたが、読むものがなくなったので手を出したら、2頁程で、いつものエッセイのようにすっかり夢中になって読んでしまいました。

謎解きなので、一般のミステリ好き(トリック好きにはちょっと難しいかも)にも勿論問題なく楽しめるでしょう。そしてドゥ・マゴ文学賞受賞なので、文章表現を楽しめる方にも。

日本の男性の強制労働談は、お涙ちょうだいで、それも勿論必要な視点だとは思うのですが、この強靭な女性達の乗り越え方は…。
女性は、たっくましーな…!!
特に、「ヨガ」のくだりは、「私もいつかのために、やっておくべきか?」とすら。

罵倒の限りを尽くしても子供に好かれるオリガは当初から、好ましいのですが、読めば読む程に、好きになっていきます。

作品と作家は切り離すべきかもしれませんが、
米原さん、まだ60歳前だったのに、本当に本当に、勿体ないです。
良書でもすぐに読めなくなってしまう時勢なので、今のうちに読んでおきます。
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by nm73tsrm | 2007-01-05 11:46 | book