魂を肉体に込めて生きている限り、その全身が憶えた愛情の記憶が完全に消えることはない
2006年 01月 02日
午後から雨が降ってきました。落ち着きます…。
*[book]『蒼穹の昴 1』浅田 次郎 講談社文庫 ISBN: 4062748916
極貧の少年に与えられた途方もない予言 そこに「希望」が生まれた
汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろうーーー
中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児(チュンル)は、占い師の予言を信じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀(ウェンシウ)に従って都へ上った。都で袂を分かち、それぞれの志を胸に歩み始めた2人を待ち受ける宿命の覇道。
香港租借にかかわった大将軍、李鴻章や、欧米化のための公羊学を説いた康有為とその弟子で任侠に生きた譚嗣同は実在の人物であり、それだけに描写に厚みがある。自らイタリアから中国へ宣教師として出向くという運命を受け入れた異色の登場人物である画家、ジュゼッペ・カスチリョーネも実在の人物であることもあとでわかった。台湾の故宮博物院にその作品があるらしい。
実在の人物といえば乾隆帝は皇帝のなかでも別格であり神格化されており西大后の心のよりどころとして、伝説のような存在でありながら、血の通った人物として描かれている。皇帝の家系に伝わる葉赫那拉氏の呪いの伝説も興味深い。
浅田次郎氏の作品って日本の定型「松竹新喜劇的あざとさ」がある(大矢博子氏)と思っているので積極的に作品を手に取ることはなかったのですが、折角20年振りに北京に行くことになったので林さんのお勧めを手に取ることにしました。
科挙が、この時代までずっと施行されていたのも驚いたのですが、まあ当たり前…ですよね、続くのが。しかし数十年も受験し続ける老人がいたり、宦官になるためにちょん切った後は、数日間水を飲んではいけない描写…圧倒されます。
*[book]『蒼穹の昴 1』浅田 次郎 講談社文庫 ISBN: 4062748916
極貧の少年に与えられた途方もない予言 そこに「希望」が生まれた
汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろうーーー
中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児(チュンル)は、占い師の予言を信じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀(ウェンシウ)に従って都へ上った。都で袂を分かち、それぞれの志を胸に歩み始めた2人を待ち受ける宿命の覇道。
香港租借にかかわった大将軍、李鴻章や、欧米化のための公羊学を説いた康有為とその弟子で任侠に生きた譚嗣同は実在の人物であり、それだけに描写に厚みがある。自らイタリアから中国へ宣教師として出向くという運命を受け入れた異色の登場人物である画家、ジュゼッペ・カスチリョーネも実在の人物であることもあとでわかった。台湾の故宮博物院にその作品があるらしい。
実在の人物といえば乾隆帝は皇帝のなかでも別格であり神格化されており西大后の心のよりどころとして、伝説のような存在でありながら、血の通った人物として描かれている。皇帝の家系に伝わる葉赫那拉氏の呪いの伝説も興味深い。
浅田次郎氏の作品って日本の定型「松竹新喜劇的あざとさ」がある(大矢博子氏)と思っているので積極的に作品を手に取ることはなかったのですが、折角20年振りに北京に行くことになったので林さんのお勧めを手に取ることにしました。
科挙が、この時代までずっと施行されていたのも驚いたのですが、まあ当たり前…ですよね、続くのが。しかし数十年も受験し続ける老人がいたり、宦官になるためにちょん切った後は、数日間水を飲んではいけない描写…圧倒されます。
by nm73tsrm
| 2006-01-02 12:02
| book