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島森です。漫画や小説の感想が主です。TBもコメントもご自由にどうぞ。


by nm73tsrm
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プライドの高い君を慰める言葉なんてない

*[book]『A君〈17〉の戦争 4』 豪屋大介 富士見書房 プライドの高い君を慰める言葉なんてない_e0038376_217793.jpg

高校生ジュブナイル作家、小野寺剛士は思う。学祭実行委員長と作家の兼業は正直、目が回るが、自分が必要とされている忙しい日々を、彼は嫌いではなかった。なにより、彼には、ほのかがいた。—そしてそんな日々が、いつまでも続くものと思っていた。人気大河ロマン第四弾は、驚天動地の新展開であなたの常識に挑戦する!まぼろしを笑うものはそのかがやきを知らない。

表紙は現在販売されてる新装版より以前のものの方がすきです…。こっち。プライドの高い君を慰める言葉なんてない_e0038376_2185519.jpg
3巻まで一気に読んだのですが展開…そうくるか。
異世界ものですから、まあ確かに、うん、OKなんですけど、豪屋氏4冊目でこうかー。上遠野氏ならしっくりきますが、戦略、人心掌握の色が強かったので、豪屋氏の手腕にはいささか驚きました。

そしてこの流れが必要だったと計算出来るところが大型だなーと。


*[book]『A君〈17〉の戦争 5すすむべきみち』 豪屋大介 富士見書房 プライドの高い君を慰める言葉なんてない_e0038376_21101720.jpg

「わたしはおまえの嫁になりにきたのだよ。しっかり子供も産んでやるぞ」。人族の国、ランバルトと戦争真っ最中の魔王領。その総帥、ちんちくりん高校生の小野寺剛士に突然の大胆プロポーズ!コレバーン連合王国第三王女、フィラ・マレル殿下は本気だった。その背後には、膠着状態に陥りつつある魔王領・ランバルトを巡る、周辺各国の錯綜する思惑が…物語は大陸全土にスケールアップ、一高校生の(いろんな意味での)限界に挑戦するドタバタ大戦略大河ロマン第五弾。

新装版でない方はこうです。プライドの高い君を慰める言葉なんてない_e0038376_2111813.jpg
鬱展開になるのかとヒヤヒヤしてましたが、フィラは計算はしますが性格は良いので、うん…。

豪屋氏はデビルでも「もてない君」への肩入れが強いですが、モテる基準が高校生あたりは「顔」が強くて大変だなあと。
顔が悪いっていったって髪型で割と何とかなるし、ヒョロいと思ってても細い人好きな女子は多いし、歴史オの字だからって、それを面白く話せれば(唐沢俊一氏みたいに)モテなくはないじゃないですか。

*[book]『A君〈17〉の戦争 6すべてはふるさとのために』 豪屋大介 富士見書房 プライドの高い君を慰める言葉なんてない_e0038376_21104520.jpg

「ドラゴンでウルリスを叩けないかな」開き直るとちょっとスゴイ高校生総帥、小野寺剛士ならではの作戦を実行すべく、魔王領は動き出す…ちんちくりんな17歳が大陸に波乱を巻き起こす大戦略ロマンもついに第6巻目。今回は鳥肌モノのスペクタルアクション巨編であると同時に、登場人物の複雑な絡み合う想いが少しずつ明らかにされる、物語のターニングポイントにもなってます。人間でありながら魔族を率いて戦う小野寺剛士、彼を駆り立てる想いの底にあったのは…ここ、男泣き必至!こころにふるさとを抱く者、それぞれがすべてを賭けて激突する

男泣きするところに萌える女性は多い(笑)筈です、ヤの字好きな方々とか。
開き直ると強い、とコピーにもありますが、開き直るまで時間がかからなくなってきて、剛士も成長してるな!と。

豪屋氏好きな方からしたら、なんつー浅い読みをするんじゃお前は!と叱責されそうですけど、敵国の慌てぶりなども、ヘビーになりがち、かつ読書放棄されがちな戦争ものを読みやすくしてくれてあって、助かります。初心者なので。


*[book]『A君〈17〉の戦争 7はたすべきちかい』豪屋大介 富士見書房  プライドの高い君を慰める言葉なんてない_e0038376_21122289.jpg

春の訪れを待って、ついにシレイラ王女は動いた。魔王領総侵攻計画“黒の場合”、秘匿名称“フェラール”が発動、ランバルト軍精鋭を主力とする人族連合軍20万が国境を越えて魔王領に雪崩れ込む。目的はひとつ、魔族の殲滅…。高校生総帥、小野寺剛士は人魔混成軍を率いてこれを迎え撃とうとするが、その兵力は連合軍の4分の1…絶望的な状況の中、彼に打つ手はあるのか?世界を裏から操る少女、ほのかが見守る中、人族と魔族の最終決戦がブラントラントの大地を血で染める。興奮必至の大戦略大河ロマン第7弾!はたすべきちかい、その業は人であるものの身には重すぎるのかも知れない。

剛士ですから前もって決戦の策略を巡らせてあるのですが、全貌がみえないのです…。早くみせてー!
シレイラが仮面をかなぐり捨ててるのもラスト(おとしどころ)に向けて必要な過程なんだろうなと。

*[book]『A君〈17〉の戦争 8うしなうべきすべて』豪屋大介 富士見書房  プライドの高い君を慰める言葉なんてない_e0038376_21145324.jpg

「オール・ウェポンズ・フリー承認!」魔都ワルキュラ上空に殺到する、ランバルト軍ペガサス空中騎兵四千騎。小野寺剛士率いる魔族を滅ぼそうとする、人族の圧倒的な物量が、ついに魔王領の中心部を強襲する。精霊の力を借りたネットワークによる画期的な指揮統制システムに支えられた魔族たちだったが、物量差はいかんともしがたく、その兵力をすり減らしていく。倒れていく魔族たちを見守るしかない高校生総帥、小野寺剛士の脳裏をよぎるものは…たたかいのなかで、うしなうべきすべての価値が、のこされたものの価値と等価であるとは限らない。

『デビル17』があるからA君はちょっとおあずけ…なんて寂しいですね。
A君を一気に読みたいです。

しかしこの圧倒的な戦力の差、剛士はどうやって「勝つ」んだろう。
by nm73tsrm | 2005-10-21 23:01 | book